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里子犬としてポンちゃんを迎え入れるために、わたしは健康診断を受けに受けた
昨夏に愛犬トトちゃんを看取り、自分で思っていた以上にペットロスは深く自律神経失調症を知らぬ間に発症させていた。

自律神経失調による卵巣の腫れや「蟻走感」と呼ばれる皮膚の異常感覚に苦しんだり治ったり――その傍ら、実は老犬3匹も新入犬を迎え入れる準備をしていた。




老犬の歯周病~外歯瘻(根尖膿瘍)で目の下・頬に穴


多くのわんちゃんは歯磨きが苦手だと聞いたことがあります。
我が家の老犬たちは子犬の頃から[歯磨き→盛大に褒められる→ご褒美の歯磨きガム贈呈]までをワンセットとし躾けてきたので、2018年頃までは歯磨きセットの入ったポーチの音がすると、部屋のどこへいても駆けつけてくる(歯磨きガム狙い)ようになっていました。

しつこいようですが、2018年頃までは。

なぜ2018年までなのか? それは飼い主が公私ともに多忙を極めたり、何度か病床に伏せたせいで、歯磨きがおろそかになってしまったのです。

そうして2年の月日は瞬く間に過ぎ去り、気が付くと老犬たちの口腔内は歯周病におかされていました。2020年の5月末に愛犬ぴーちゃんが『外歯瘻/根尖膿瘍』になり、頬に穴があいてしまうまでになりました。

ぴーちゃんは、5月の初めころに「マイボーム腺機能不全」になったこともあり、頬にあいた穴も目の疾患だと思ってしまったのですが、まさか歯だったなんて…歯周病の悪化が原因だったなんて…。



トトちゃんのリハビリや通院に忙しくしていたとはいえ、もともとは飼い主としての無知と管理監督不足・ケアの甘さ、忙しさにかまけていた自分を情けなく思いました。


2020年5月下旬(12歳)第四臼歯の根っこの炎症――歯周病の悪化――が痛んだりうずいたことで、皮膚をかきやぶってしまった。いわゆる外歯瘻/根尖膿瘍
 ※下記、出血画像あり

犬の外歯瘻 頬に穴 歯周病02
犬の外歯瘻 頬に穴 歯周病01




【やってみてください!】愛犬の歯や歯ぐきの病気チェック


犬の歯周病について、画像付きで分かりやすくまとめられてあります。
 

愛犬の歯や歯ぐきの病気チェックができます。分かりやすいです!




老犬3匹の歯周病、わが家の場合【リアル】


うちの老犬たちの歯磨きをさぼっていた2年間のあいだに、歯周病は進行していきました。上記チェックをもとに書きますと

  1. 歯が黄色い、または茶色い→
  2. 歯ぐきが腫れているように感じる→
  3. ひどい口臭がする→
  4. 前足で口をよくぬぐう→

これら4つ以外にも

  1. 唾液のねばつき→
  2. 食事後のエサ皿を洗う時にねばつきがあった→
  3. くしゃみの回数が増えた→

この3つはスケーリング(歯石除去)と歯周病・抜歯手術後に一切見られなくなったことから、やはり虫歯や歯周病に原因があったのではないかと思います。


犬の歯周病~無麻酔での歯石取りは非常に危険です


犬の歯周病についてインターネットで調べていると、無麻酔での歯石取り(スケーリング)といったワードをちらほら見かけました。

数々の動物病院の院長先生たちが書かれておられるブログなどでは、実にその9割以上が無麻酔での歯石取りは大反対と書かれてありました。また、無麻酔での歯石取りを選択した結果、愛犬が命を落としたという飼い主さんの後悔の記録をも読み、胸が痛みました。

どうしてだかわたしは、「老犬に麻酔は負担が大きく危険」と思っているところがありました。

おそらくそれは、無意識のうちに検索し読んでいた「真偽不明のネット情報」「玉石混交のSNSでたまたま目にした情報」が脳の片隅に記憶として残ってしまっていたからなのだと思います。




その旨を老犬たちの担当医に相談してみると、決して言葉を端寄らず、無知な飼い主を馬鹿にすることもなく、「全身麻酔のリスクがどの程度なのか」を分かりやすい言葉で、納得できるまで説明してくださいました。



老犬の歯周病・抜歯・スケーリング(歯石除去)


何を隠そう(?)担当医は、とくに歯科に強い獣医さんなのです。

  • 歯周病をそのままにしておくリスク→心臓病との関連度
  • 手術はせず、膿や痛みを抗生剤で間に合わせるリスク→体への負担の大きさ

疑問も不満も不安のかけらもなくなってようやく、わたしは最後の質問を担当医に投げかけました。迷った時はいつもこのようにたずねています。

「先生がこのコたちの飼い主ならどうなさいますか?」「3か月前に愛犬を1匹亡くしたばかりで、死への恐怖がまだ残る中、だけどこの3匹を健康なまま生かしたいと思っていたらどうなさいますか?」

担当医は迷わず、「すぐにでもスケーリングと歯周病と抜歯の手術を全身麻酔下で行います」と仰いました。

そしてこう続けられました。

「そもそも酷い歯周病で病院に駆け込んでくるわんちゃんってその大半が老犬なんです。うちの場合はだいたい12歳前後のコが多いかな。事前にきちんと健康診断をして、血液検査もして、問題ないようであれば全身麻酔で歯石取りと歯周病・抜歯の手術を行ってきました」

「スケーリングや歯周病・抜歯手術の失敗をしたことはありますか?」
「あります、1度だけ17年前に。猫ちゃんでした――」


まっすぐにこちらを見ていた先生が、頭を垂れて一瞬目を伏せた。
先生の、未だ癒えていない心の傷をひっかいてしまった。先生、ごめんなさい。


「3匹の手術の予約をお願いします」
「わかりました。新しく迎えるコに虫歯・歯周病が感染らないようにしないといけませんしね!」

14歳3か月の父犬ハム君。翌月末に13歳になる双子犬のブルーとぴーちゃん。老犬3匹の歯周病・歯石除去(スケーリング)・抜歯手術は翌週と翌々週の2週にまたぐ。

帰宅したわたしがまずしたことは、うがいと手洗いと、貯金残高とのにらめっこ。先生が出してくれた3枚の見積書には、なかなかの金額が記載されてあった。(つづく


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