愛犬の死後に起こった、不思議なできごと
ペットが亡くなって「不思議な経験」をした、という飼い主さんの声をネット上でたくさん見かけた。見かけた、というかそういう声を自らの意思で探した。
トトちゃんを看取る経験がなければ、あの絶望を知らなければ、わたしは今もそういった話を半信半疑に思っていたにちがいない。
といった「偶然・たまたま」「聞きたくて聞いた音・見たくて見た夢」ともいえる不思議な現象以外に、関わった人たちが「なんでだろう?」と首を傾げる出来事もじつのところ3つ4つと起こっていた。
魂が虫に宿る、は本当だった?!
それは、トトちゃんが旅立った翌日の夜の8時過ぎのことだった。
父犬ハム君との散歩から戻ってくると、玄関のドアノブ右側の壁に――多くの人が大嫌いな、夏によく出没する――黒い虫、しかもそこそこ大きめが居座っていた。
何かの間違いだろうと思った。
先日もすこし書いたけれど、命に関わる虫アレルギーを持っているわたしは5年前からD社の害虫駆除サービスを契約している。
また、2年前に代わったマンションのオーナーさんが几帳面な女性ということもあって、マンション全体および各階に害虫駆除を入れてくれているし、週に1度は清掃業者が来る。
だから築およそ30年とは思えないほどうちのマンションは綺麗なのだ。例の虫に限らず、昆虫類を見かけることはまあ滅多にない。
それなのにわざわざ、そんなわたしの家のドアノブ横に、日本中から嫌われている例の虫がとまっているなんて、わが目を疑った。カブトムシかクワガタじゃないかと思い、写真に撮り、D社の担当さんにメールをしたほどである。
担当さん 「…あいつですね」 ←笑
わたし 「やっぱりそうですよね…」
担当さん 「どこかで時間つぶせますか? 40分以内に駆けつけます」
わたし 「お願いします!」
D社の担当さんとは家が近いことや、諸般の事情(虫アレルギー・女性の一人暮らし)を知ってくださっていることもあり、何度か助けていただいたことがあった。
駆除を済ませた担当さんが言った。
「でもなんでだろう、こちらのマンションで“あいつ”を見かけることは少なくともこの2年はなかったですし、ことぶきさん家の定期管理は少し前に来たばかりですのにねぇ。申し訳ないです」
家の中に出没したのならいざしらず、外だから担当さんにはなんの責任もないですと頭を下げ、「このタイミングで言うことでもないんですけど」とトトちゃんが旅立ったことを話した。
愛犬家の担当さんはチビ達をとても可愛がってくれていたし、チビ達もとても懐いていた。
どうしてもお別れをしたくて、お別れをするには“例の虫”を登場させないと駆けつけてもらえないから――
と、とてつもなく強引なやり方を選んだのかもしれないですねと、手を合わせてくださった担当さんとすこしだけ笑った。
愛犬と家にノミ発生~徹底駆除は3週間で![プロローグ]
そんな出来事があった翌々月、9月6日の夕方に、犬飼い歴14年ではじめて「ノミ」を見た。3匹の愛犬のうち2匹のからだに「ノミ」を見つけた。
もちろん、ノミを発見できなかったブルーにノミがいないだなんて思わなかったけれど――1匹見つけるとなんとやら。成虫はいなくとも卵が…さなぎが…みたいなおぞましい真実はあえて省略――
とりあえず、3匹を浴槽にぶっこんで丁寧に丁寧にシャンプーを、2度、繰り返した。目の細かい櫛で毛流れにそって、毛流れに逆らって、何度も梳いた。
黒い小さな砂鉄のようなものが、父犬ハムと末っ子ぴーちゃんのからだから多くこぼれた。どうやらそれはノミの糞らしく、気持ち悪さに蕁麻疹が走った。
獣医さんと看護師さん曰く「ノミの駆除はとにかく時間が勝負です!! ノミの生態から考えて3週間で徹底駆除しましょう!」とのこと。
獣医さん 「――それにしても、ノミの薬も毎年飲んでいるし、これまで1度も出たことがないのにどうして今年だけ」
看護師さん 「お散歩のルートがかわって、そのルートにノミを持った野良猫ちゃんがいてその道中を歩いてもらってしまった…とか?」
わたし 「ルートは2年前から認知症予防を兼ねて、定期的に目新しい道やいつもとは違うグラウンドや公園の外周を歩いたりするようになりました」
看護師さん 「でも今年だけなんてちょっと不思議ですね」
結論から先に書くと、ノミを発見したのが9月06日。動物病院の看護師さん兼トリマーさんの厳しいチェックを受け「ノミ駆除成功」の太鼓判をいただいたのは9月27日。
実に3週間、まさに3週間。
戦い! と呼ぶに相応しい胃がキリキリする毎日を、汗だくになりながら送っていました。実録、本当に3週間で効果があったノミ駆除方法は次回公開。
*cm_dasilvaによるPixabayからの画像