ペットロス 49日 四十九日 小型犬 チワワ (5)


多頭飼いのペットロスと老犬との暮らし



チワワ4匹の多頭飼いだった我が家から、母犬のトトちゃんが旅立ってから「死」は身近なものになった。

3匹の様子が去年と違う、4か月前と違う、昨日と違う「――ような気がして不安」「次はこのコかもしれない」となにかにつけて死が過った。



喪失感と不安感は黒い塊となって圧し掛かり、ちょっとやそっと払ったくらいでは消え去ってくれそうになかった。

「生を感じるものがほしい」。
「生を感じるものに触れたい」。


チワワ ペットロス 愛犬の死 寄付 ボランティア 保護犬 里親

14歳になったばかりの老犬と12歳後半の2匹の老犬と、わたしにとって、今年の夏は例年以上に疲れる過酷なものだった。

それにもう彼ら3匹は散歩と食事以外の時間はおとなしい。去年までは寝室のベッドの上で夜毎繰り広げられていた「わんわん運動会」も今年はまだ一度も開催されていない。



飼い主のペットロス~四十九日前夜と四十九日



老犬と過ごす穏やかでやさしい時間は、ゆっくりと流れていく。早朝4時の散歩を終えると3匹は朝ごはんまでの時間、もういちど眠りにつく。

静寂に包まれた朝は不安を駆り立てた。6:46。あのコが息を引きとった時間がまたやってくる。「静/せい」ではなく、躍動を感じずにはいられない「生/せい」を感じたい。

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ペットロスを調べる中で知った「保護犬」という存在。「里親」という立場。はじめはトトちゃんの代わりが要ると思った。けれど次第にトトちゃんの代わりなど世界中のどこを探したっていないのだと悟った。

トトのポジションは永久欠番でいい。
心からそう思えたなら、保護犬をもっと深く知ってみようと決めていた。

8月31日の夜は生前のトトがつけていた首輪を手に散歩に出た。明日で四十九日。トトちゃんの魂がいよいよ我が家を離れていく。

後ろ足が元気だった頃の彼女と歩いた道、歩けなくなった彼女を自転車の前かごに入れたちゃりんぽ”で駆け下りた坂道。泣けて泣けて仕方なかった。

何度も走り回ったグラウンドには誰一人いなかったから、ベンチに腰掛けて泣いた。明日からは空を見上げよう。きっと空に昇って衛星になって(?)下界のわたしたちを見守り、気にかけてくれるだろう。

「わたしに伝えたいことがあったら、少々手荒い方法でもいいからこれはトトからのサインだ! と分かるように知らせて。ちゃんと受けとめるから――」

今はきっと傍にいる、見えないけれど傍にいる彼女に話しかけた。ねぇ、聞いてるでしょう?

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2時間ぶりに家に戻ると日付がかわっていた。
3匹は涼しい寝室で窓の方を向いて眠っていた。6つの耳だけはこちらを気にかけていたけれど、そこは10年以上の付き合い。まぶたを腫らせた飼い主と透明になって浮遊している母犬の“さいごのデート“に気をきかせてくれたんだと思う。




初めて知った、保護犬・犬の里親・支援と寄付



四十九日があけて、暮らしている街の動物保護がどうなっているのかを調べた。わたしの暮らすこの区にも個人で保護犬に「第二の幸せな人生」を見つけるボランティアの方々や預かり活動をなさっている方が数名いらっしゃることを知った。

その方々の活動はブログやSNSで随時見られるようになっていて、目を覆いたくなる現実と、頭の下がる活動に心が揺さぶられた。

わたしが1匹の里親になったところで、きっと焼け石に水。だけど「知ってしまった以上、なにもしないで傍観するだけなんてできない」。

うちには老犬が3匹いる。そこへ元気いっぱいの新しいコを受けいれたら彼らを疲れさせてしまうだろう。保護犬を救って、ともに生きてきた飼い犬をつらい目に遭わせるのは本末転倒。そんなことはしちゃいけない。自分勝手な飼い主になんてなりたくもない。

ペットロス 愛犬の死 寄付 ボランティア 保護犬 里親 (2)


今のわたしにできることは、保護犬活動をしてくださっている方々への物資支援と寄付。まずはそれからはじめよう。

――という風に書くと、わたしが立派な人に見えちゃうかもしれない。それは違う。離婚歴のある単身者のわたしは、保護犬の里親になる資格がそもそもなかった。

保護犬の里親になる条件はなかなか厳しくて、でも、彼らがどれほどの劣悪な環境で“ただ生かされていた たまたま運よく生きていられたかを知れば知るほど……厳しくて当然、ハードルが高いのはむしろありがたいとさえ思えた。

正直に言えば「その条件は要らないのでは?」と思えるものもなかにはあったけれど、この頃のわたしは、気になった1匹の保護犬の里親の条件を見直してもらえるように根気強く交渉するエネルギーを余分には持っていなかった。

だから、物資の支援と寄付で『足長里親おばさん』の役割を担った。それで十分だった。十分のはずだった。9月7日、タイムライン上に流れてきた1本のツイートを読むまでは。


藤井動物病院(FVMC動物病院グループ)
動物も高齢化が進んでいると言われていますが、2頭目を考えた事はありますか?同居の犬猫が増える事で先住の子は病気や認知症になりにくくなり、食欲や元気が増す様です。ライバルができ毎日の生活に張りが出る様です。10才を過ぎたら、保護施設等からの新しい子を迎える事も考えてみて下さい。


思わず、リプライしちゃった素直なわたしである(照)。


ペットロス 里親




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