2020年7月14日朝、生まれて初めて愛犬を見送った。
「ペットロス」という言葉を見聞きしたことはもちろんあったし、いつかその日が訪れたらわたしもきっとそうなるだろうという確信もあった。
書きたいことは山ほどあるけれど…トトを思い出にかえるにはまだもうすこし、心との折り合いをつける時間が要りそうだから。今しばらくはやや現実的に老犬介護やペットロスと向き合って記録していく。
止める人がいないのをいいことに思う存分、からだじゅうで泣いた。
バラエティ番組を見る気にもなった。すこしなら笑えるようにもなった。
悔いもしたし、ふがいない自分への怒りもこみ上げた。
からからに干からびるまで感情を使い切ったら、さいごに残ったのはトトの家族であるハム・ブルー・ぴーの3匹をこれまで以上に大切に飼っていくことへの決意と、トトへの感謝。そして…この経験を「かたち」に残すことが彼女への供養になる気がしたし、わたしも前を向ける気がした。
ペットロスとの向き合い方は飼い主個々人で違っていいと思う。
わたしはさみしいから前を向く。
トトのからだに小さな異変が起きたのは2019年秋。ヘルニアの発症が見られるようになったのは2020年1月。そこから7月末までの約7ヶ月の『ペット介護関連費』を使用中の家計簿アプリZaimで検索しすると9万9654円だった。
細かい内訳や補足は今後書いていくけれど、介護関連費は「トトの介護のためだけにかかった費用」。フードを含む物品購入がメイン。光熱費等は別。
トトは歩けなくなるまでは季節を問わず人間の寝室でいっしょに寝ていたし、寒くても暑くても犬たちは自分らで「心地いい場所」を探して好き勝手に家の中を移動するため
エアコンや暖房は――在宅時も外出時も24時間つけっぱなしではあるけれど――大きく跳ね上がることはこれまではなかった。けれど今年は違った。
たっけー。
介護休暇を向こう1年とった、フリーランスのヘアメイクであるわたしは引き落とされる電気代の額に目が飛び出て・手が震えて・口元もわなわなした。
たっけー。
でも彼女がいなくなった今、この「たっけー数字」はわたしの彼女への愛を数値化したもののひとつだと思えるようになった。
家計簿アプリZaimを使っていてほんとよかった。ありがとうZaim。月末になるとたいてい憎々しい気持ちで収支を睨みつけているのに、今回ばかりは思い出がいっぱい。マイナスもいっぱい。(つづく)