「(思っていたより)懐かないから可愛くない、いらない」そうやって手放されるペット、再び手放される保護犬が想像していたより多くいるということを知った。
同じ人間かな? 血が通っているとは思えないけど? と不思議に思うと同時に、同じような理由で「彼女の子ども」「彼氏の子ども」に手を挙げたり無視をする人たち――人だなんて思いたくないけど――が後を絶たない。
となると、ペットに冷遇を与える人が同じだけいるんだろうということは想像に難くない。
離婚後に4匹の犬をひとりで飼っていた理由は、実はこういうところにもある。
この男性は「この子たちの飼い主として相応しいか」をいちいち考えながら付き合うよりも、誰とも付き合わず自分で飼った方がストレスフリーで幸せだと思ったからだ。
この男性は「この子たちの飼い主として相応しいか」をいちいち考えながら付き合うよりも、誰とも付き合わず自分で飼った方がストレスフリーで幸せだと思ったからだ。
ペットを飼うのはお金もかかるし、ましてや犬ともなるとお散歩に食われる時間が多い。生まれた瞬間からそばに大型犬がいて彼らと育った元夫は当然のように犬好きだった。
4匹を2匹ずつリードに繋いで手に持ち、2人で同時にお散歩にいけた。朝と夜の1日2回。離婚をともにそれがなくなったわけだからなかなかに大変だった。
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そうしてこうして、ひとりと4匹(マイナーチェンジあり)の穏やかな暮らしに新風が吹くかもしれない事態になった。
“彼”の存在がわが家を吹き抜けるそよ風になるのか、わが家を打ちつける暴風になるのかは予想もつかなかったけれど少なからず、彼が4匹を冷遇するタイプの人間ではなさそうな気はしてきた。
なぜなら「チワワ」という小型犬に代表される性質やよくみられる疾病及びしつけ方や飼い方、接し方に留まらず「保護犬」の人間不信その他についても、毎日のように熱心に勉強していることを知ったからだ。
なんなら「ひと通り知識が入るまではチビちゃん達に会うことはできません」というようなことすら言っていたので、骨があるじゃねぇかと少し見直した。
「チビちゃん達の顔立ちがよく分かる写真をいくつかもらえませんか? できればどの子がどの名前とわかるように明記してくれるとありがたい」
やる気に満ちた新任教師が理想と現実の狭間に落ちて、ジタバタともがいていたことを懐かしく思い出す。うちには“不良の問題児”が1匹いる。
理想通りにいくであろう老犬3匹と現実を見せつける万年反抗期犬1匹。
新しい風と台風の目。戦いの鐘の鳴る日が刻一刻と迫っている。