目次
気管虚脱の犬を苦しめている見落としがちな生活環境
床から舞い上がる埃やダニのふん・花粉は気管虚脱の敵!
気管虚脱の愛犬のためのお掃除手順~掃除機はNONO!
「換気さえしておけばいい」は愛犬の気管をさらに苦しめる!
気管虚脱の犬が「居る場所の高低差」が咳を激変させた
気管虚脱の犬を苦しめている見落としがちな生活環境
気管虚脱グレード2と診断された14歳の老犬ちわわ、ぴーちゃんとのニューノーマルな暮らしも[6日目~10日目]になり、コツが分かってきた。
まず大前提として「気管が凹んで、呼吸がしづらい気管虚脱」なのだから、吸う空気をすこしでも綺麗に澄んだものにする必要がある、ということ。
これに関しては皮肉なことに、ぴーちゃんとわたしが「化学物質過敏症」を発症させてしまったおかげで(せいで……と言いたい)良い空気づくりはかなり徹底している。
獣医さんも『埃・ダニ(の死骸)・カビ・大気汚染や柔軟剤なや香水などの香りが、気管虚脱のわんちゃんにいいはずがない』と仰っていたので、そりゃそーだよなと納得している。
気管虚脱のぴーちゃんは「花粉の多い花を飾られる」のもとても苦しみます。 例)菊・ゆり科
床から舞い上がる埃やダニのふん・花粉は気管虚脱の敵!
身長172cmのわたしと体高17cmのぴーちゃんでは、同じ部屋の中にいても「吸っている空気」が違います。
床周辺には目には見えない埃やちりが、家人やペットの動きでつど舞い上がる。これをほぼ直接吸っているのは体高の低い愛犬たち。
床と平行な部分には床と同じだけのホコリがたまります。カーテンレール、窓のさん、テレビなどの家電周辺、電球の笠、額縁の上辺、棚や机の上など、ついつい見過ごしがちですが、しっかりホコリはたまっています。人が動いた何かの拍子にこのホコリがまき散らされる前に、乗っかったホコリとしてごっそりふき取ってしまいましょう。高いところはハンディタイプのモップで、狭い場所はブラシタイプのノズルをつけた掃除機で吸い取りましょう。
わが家は、購入したベッドが放つ有害物質ホルムアルデヒドにより、ぴーちゃんを始めとする愛犬4匹と飼い主であるわたしが――症状の重軽症の違いはあれど――もれなく全員、化学物質過敏症を発症しました。
化学物質過敏症と考えるとややこしいので「喘息」「ハウスダストアレルギー」「酷い花粉症」の家族がいるご家庭と同じように考えてみてもらえたら想像がしやすいかもしれません。
汚れた空気がいかに呼吸の邪魔をするかを考えれば、解決法は1つしかなくて、それは…空気を徹底的に綺麗にすること!
気管虚脱の愛犬のためのお掃除手順~掃除機はNONO!
体高の低いコたちがそれらの症状に苦しんでいるなら、彼らの背丈に合わせて「床近く」、彼らが常時滞在している場所の空気がクリーンになること+クリーンな状態がつづくことがとにかく重要になります。
床掃除は「埃やダニの糞ほかを舞い上がらせないこと」が肝になるので、掃除する順番が外せないポイントになります。
窓をあけて掃除をするのは絶対NG!
いきなりの掃除機も絶対にNG!
これは基本中の基本だと、わたしもこの2年で知ったばかりです。とにかく埃を舞い上がらせないこと、これに尽きるのだそうです。
窓は絶対にあけない。
掃除機は最後の最後で使う。
「換気さえしておけばいい」は愛犬の命を奪いかねない。
「換気さえしておけばいい」は愛犬の気管をさらに苦しめる!

- フロアワイパーで床にのった埃やちり、ダニの糞などを「絡めとる」。
- ゴミくずはワイパーではとりきれないため、それらを掃除機で吸う。
- わが家の場合は上記1~2のあとに各部屋の床を水拭きしています。
窓は基本「夜」にしか開けません(※そらまめ確認後)。
PM2.5などの大気汚染が室内に入り込むと、丁寧な掃除が台無しになるほど空気が一気に汚染され咳が止まらなくなるためです。
PM2.5などの大気汚染が室内に入り込むと、丁寧な掃除が台無しになるほど空気が一気に汚染され咳が止まらなくなるためです。
ハウスダストアレルギー業界(?)ではあまりにも有名な「モーニングアタック」は、気管虚脱の犬にとってもやはり同じように……もしくはそれ以上につらく苦しいものです。
モーニングアタックにより、朝からペットの気管を苦しめるのはあまりにもつらいですし、なにより飼い主の気分も正直さがります。
ですのでわたしは出来るだけ――毎日はさすがにむずかしい――夜のうちに下りて床に積もる埃の量を減らすために、寝る前に簡単にワイパーをかけたり、時間と体力に余裕がある時は水拭きをして眠ります。
そうすると翌朝の咳込みが激減し、午前中の咳もやはり少ないです。
そうすると翌朝の咳込みが激減し、午前中の咳もやはり少ないです。
気管虚脱の犬が「居る場所の高低差」が咳を激変させた

――これだけ床掃除を丁寧にしていても気管虚脱ステージ2を宣告された14歳のちわわの老犬ぴーちゃんは、床から(ケージの底の厚み分)+3cmでの暮らしだとやはり咳と“音”が出ます。
それは子どもの頃に、喘息がひどいクラスメイトの「ひゅうひゅう」した苦しそうな呼吸ととても似ていて胸が痛みます。
けれど、ひとたび床から50cmの高さのあるベッドに乗ると、冗談みたいに咳が止まります。本人もそれが分かっているため、ベッドに上がりたがりますし、呼吸もしやすいようで熟睡を続けます。
気管虚脱ステージ2の老犬ぴーちゃんにとっての最適な温度と湿度を保っても、咳が出やすい部屋と咳がほとんど出ない部屋がありました。咳がほとんど出ないのは、安全地帯である寝室の「ベッドの上」。それ以外の部屋だと以前のように酷い咳・連続する苦しそうな咳ではないにせよ、ケホケホと軽い咳が続くことがあります。ベッドの上とそれ以外の部屋、室温も湿度も同じようにしているのになぜだろうと不思議に思うも、答えはあっさりと出てきました。◉ベッドの上は「床から50cm」◉それ以外の部屋で彼女が滞在するのは、ほぼ床~+3cm程度。この差による咳の出方の違い――室温・湿度は各部屋同等――は、動物病院の先生が思わずメモをとる、ほんの些細な、でも気管虚脱の犬にとっては大きな発見だったのです。
ちなみにぴーちゃんが眠る寝室の床は、いわゆるお掃除ロボットを利用して掃除をしています。埃もあまり舞い上がらないため彼女も咳込むことがほぼありません。
わが家はルンバではなくロボット掃除機「ルーロ」(かなりの旧型)が、今日も元気によく働いております。次回は「気管虚脱になった犬に給水スタンドはNGほか」をお届けします。
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