購入したばかりのベッドが放つ有害物質ホルムアルデヒドを、それとは知らずに5カ月間も浴び続けていたわたし達家族(人間+犬4匹)は、シックハウス症候群になりました。
そのうちの2匹(わたしと老犬1匹ぴーちゃん)は、化学物質過敏症を発症し、それはそれは生きにくく不便な生活を強いられることに――。
愛犬たちの長引く咳やくしゃみ、涙や鼻水の正体は[ホルムアルデヒド→シックハウス症候群→化学物質過敏症]だったのだけど、対策をしながらでも生きていかなければならなくて。
化学物質過敏症の朝のルーティン、これで1日が変わる!
前回の記事で書きましたように、わたし達はとくにPM2.5に強く反応する化学物質過敏症でした。
毎朝の起床時のルーティンは、1時間ごとの大気汚染がわかる『そらまめくん』と、『tenki.jpのPM2.5分布予測』の両方を見比べながら、1日の流れをやんわりと思い描くこと。
- PM2.5が「まったくない」「少ない」「青色以下」以外の日は目覚めに窓は開けない
- 起床時のハウスダストの舞い上がりで咳込むことを防ぐために、各部屋の空気洗浄機を強める ※30分ほど
- PM2.5が「まったくない」「少ない」「青色以下」以外の日は洗濯物をベランダに干さない
- 起床時に咳込みが強い犬には朝食の前に「ちゅ~る」を少し与える ※喉の乾燥に直接的に湿ったものを
まずは上記の徹底。ここに辿りつくまでには涙なしでは語れない試行錯誤がありました。ハウスダスト対策に朝から(埃が舞い上がらないよう細心の注意を払いながら)1時間半ほど費やして掃除をする毎日だったり……。
そういう紆余曲折も今思えば必要なことでしたし、実際にハウスダスト・アレルギーの症状も出ていたので(シックハウス症候群あるある)無駄ではなかったし必要だったのですが、
わたしと家族――愛犬4匹――には、PM2.5を室内に入れない対策をとるほうが効果が何倍にも出ました。
化学物質過敏症の家に、PM2.5を入れない工夫を!
前述いたしました――ハウスダスト対策に朝から(埃が舞い上がらないよう細心の注意を払いながら)1時間半ほど費やして掃除をする毎日を送っていた頃は「この空気洗浄機のパワーじゃ物足りないのかな」と、正直100回は思いました。
でも、ホルムアルデヒドが原因とわかり→シックハウス症候群の症状が出はじめた頃に、3台も買い換えたんです。女ひとりと犬4匹の生活にそれほど経済的余裕はありません。
今思うと、ハウスダストを除去しても「PM2.5が室内に入ってきている生活」をしていたため、そりゃあ空気洗浄機の効きが半減するのは……威力を発揮できないのは当たり前でした。
- 換気のために窓を開ける、を、ただちに止める!
- エアコンダクトの穴を表と裏から「ものすごく丁寧に塞ぐ」
- PM2.5が「まったくない」「少ない」「青色以下」以外の日に外出をしたらそのまま浴室へ行き、シャワーを済ませる ※人間
- PM2.5が「まったくない」「少ない」「青色以下」以外の日に犬の散歩をしたら玄関で脱衣し、目や鼻の周りを拭き、手足をよく洗い、頭部や尻尾をブラッシング ※犬
- 空気洗浄機はもちろん「強」でぶん回す
実際に購入して使ったもの
セメダイン 不乾性充てん材 すきまパテ 業務用 白 1kg(500g×2入) ……2つ入っているので万が一失敗しても安心です!
化学物質過敏症の家に、PM2.5を持ち込まない!
花粉よりも微細な、憎きPM2.5を室内にできる限り持ち込まない! これしかないのです。でもこれを徹底するだけで、驚くほど、咳やくしゃみ、涙や鼻水、喉の痛みが激減しました。それは、うっかりと薬を飲むことを忘れるくらいの違いです。
面倒ですか?
面倒ですよ、面倒くさくてたまらないです。
いつまで続くんだこんなこと、と鉛色の未来しか見えずに泣いたことも二度や三度ではありませんでした。
でも、老犬のやまない咳を聞き続けるストレスや、愛犬の生死のあいだを彷徨うような咳で目覚める朝の寝起きの悪さに苦しんだ日々を思うと、これをせずにはいられないんです。
布団を頭まですっぽりかぶって耳を塞いで、すべてから逃げたいと声を殺して泣いていた半年前にはもう戻りたくないんです。だから、やるしかないんです、どれだけ面倒でも。どれだけ疲れていても。
――2022年1月6日現在まだ10日ほどですが、わたしも、化学物質過敏症の症状がいちばん重かったぴーちゃんも薬を飲んでいません。※わたし自身は漢方は飲んでいます、わたしの身に何かあれば共倒れになってしまうので“保険”です
とくに(1)換気のために窓を開ける、を、ただちに止める! (2)エアコンダクトの穴を表と裏から「ものすごく丁寧に塞ぐ」
この2つを実践してからの効果はとてつもなく大きくて、どうしてもっと早くこれに気づかなかったんだろう、着手しなかったんだろうと3日ばかり後悔が頭をもたげました。
子どもの頃から染みついている、朝は窓をあけて換気をする。
暖房をつけているなら1時間ごとに10分窓をあけて換気をする。
これらの当たり前は、健康被害の少ない人にとってはとても正しい常識なのだろうと思います。でも健康被害のある人にとっては死活問題、まさに命にかかわるのです。
自分にとっての良かれは、誰かにとっての悪かれである。
と、長年“良かれ”と信じて身についた生活習慣と意識の改革をするのはちょっぴり大変でした。でも、この意識改革のおかげで生きやすさに再びちいさな灯りがともりはじめたのです。(つづく)