目次
有害物質ホルムアルデヒドが放出されたベッド
犬の咳と老犬のからだに負担をかけない原因究明
老犬の咳に処方された飲み薬とステロイド注射
フランスベッドはもう一度“息”をさせてくれた
圧・力・を・感・じ・る・着・信
有害物質ホルムアルデヒドが放出されたベッド
チワワの老犬ぴーちゃんの「止まらない激しい咳」の原因が、シックハウス症候群の専門調査機関による検査の結果『有害物質ホルムアルデヒド』だと分かった。
ホルムアルデヒドの発生源が、2020年秋に購入したばかりの『天然木』を売りにしたベッドのヘッドボードであることも分かった。
専門機関の方たちの説明では難しすぎるので端折って簡単に書くと、集めた小さな木材を、海外で――日本では規制が厳しいから? と言ってたような――ホルムアルデヒドが多く含まれた接着剤を使って接着して製品化した建築材料が使われて商品化されたベッド。
要はつきはぎだらけの板の内部の接着が、加湿や乾燥などによってはがれ、そこから有害物質であるホルムアルデヒドが放出。
鼻の利く犬が飼い主さんより先にそのことに気がついた。苦しいけれど、飼い主さんの傍で眠りたいという気持ちの方が勝り…シックハウス症候群のような状態が悪化、と考えると自然。
――というのがシックハウス症候群の専門調査機関の調査員の方々と、測定結果・証明書をご覧になった3名の獣医さんたちの見解だった。
犬の咳と老犬のからだに負担をかけない原因究明
ぴーちゃんの咳は当初「乾燥による咳」が疑われた。高齢ということもあり大きな検査はできず、あらゆる可能性を1つずつ潰していくほかなかった。
それでもかかりつけの獣医さんは、心臓分野に特に強い獣医さん、気管問題に特に強い獣医さんのお二人を紹介して下さりぴーちゃんの体に最小限の負担しかかからない方法で原因を見つけようとしてくださった。
その結果、心臓も気管にも問題はないということが分かり「もしかして…」とシックハウス症候群の調査を専門とする機関を紹介して下さり、それがビンゴだったというわけ。
老犬の咳に処方された飲み薬とステロイド注射
ここに辿りつくまで、およそ5ヶ月を要した。
その間、なにもしていなかったわけではもちろんなく、ぴーちゃんは処方された薬を飲み、酷い時にはステロイドの注射を打ってもらってもいた。
処方されていた飲み薬は2種類。
- ネオフィリン…1回1/4錠を1日2回。
気管支平滑筋を弛緩させることにより気管支を広げ、気道の閉塞による苦しい呼吸を和らげます。通常、気管支喘息や慢性気管支炎、肺気腫などの治療に用いられます。 - プレドニゾロン(ステロイド、副腎皮質ホルモン)…とても強い薬なので飲み方や量・頻度は獣医師の指示を必ず仰ぐ。
かかりつけの獣医さんは闇雲にステロイド薬を用いることをあまり良しとしないため処方される「プレドニゾロン」の錠剤は最小限数に限られていたし、ステロイドの注射も「できれば…本当は3日に1度にしたいところですが…」とよく仰っていた。
もちろんステロイドを使うメリットも、デメリットもきちんと説明してくれた上で「僕がぴーちゃんの飼い主ならこのようにしてみます」とその時々で最善と思える提案をしてくださるので安心ができた。
ステロイドの錠剤も注射も、この頃のとくに咳が強かったぴーちゃんには「1日半、効果が続けば良いところ」だった。そのかわりその1日半はぴたりと咳が止まっていたので、ステロイドに頼りたくなる気持ちもなかったわけではない。
しかし獣医さんから何度も説明されたステロイドを頻繁に、長く続けることのデメリットが過り、「ステロイドはいつも最終手段であれ!」とまずは他にできることがあるのでは? と、原因を探すくせが身についた。
フランスベッドはもう一度“息”をさせてくれた
ホルムアルデヒド入りの接着剤が原因と分かったのだから、もうそんなベッドは使えない。3日3晩調べに調べて、貯金残高と相談をしながらようやく「新しいベッド」を決めた。
納品には2週間を要するということだったのだけど、事情を話すと5日で納品してくださることになった。
- F★★★★[エフフォースター/ホルムアルデヒド低減の最高基準]
- 安心の日本製
- 全日本ベッド工業会認定マークつき
ありがとう、フランスベッド。恩に着るよ、フランスベッド。
▶こちらを実際にこちらのショップより購入しました。約半年の使用歴ではありますが、なんら問題なく深い眠りにつけています♩
天然木がうたわれた――天然木と聞くと良い品に思えた無知なわたしでした――ホルムアルデヒドまみれの以前のベッドにはもう近づいてもくれなくなっていた老犬たちが、新しく納品された[お値段も倍近くする]フランスベッドに飛び乗り、ヘッドボード近くに頭を置いて眠るぴーちゃんを久しぶりに見た時、こみ上げてくるものがありました。
圧・力・を・感・じ・る・着・信
まずはひと段落。出来る限りの力を尽くしてくださった獣医さんたちにこの旨を伝えると「飼い主さんもぴーちゃんもがんばりましたね!」と言っていただけた。
「では以前のベッドにレビューでもつけようかな」
昨今なにかと問題になっている誹謗中傷にならないよう、モンスターカスタマーにはならないように、あくまで事実だけをたんたんと箇条書きにしてホルムアルデヒドベッドにレビューをつけた。
翌日の午前11時頃、見知らぬ番号から着信があった。表示された番号で検索すると、ホルムアルデヒドベッドを購入した有名企業の某店舗の番号がヒットした。※ベッドの購入は実店舗ではなくオンラインから行いました、オンライン限定商品だったため
留守番電話には「いただきましたレビューにつきましてご相談が/のちほど改めてご連絡を差し上げます」とメッセージが残されていた。
軽くなったぴーちゃんの咳にまじって、戦いのゴングがちいさく鳴った。