保護犬 里親 里子犬 甘える





子犬のはじめてのお散歩は地面にはりついて動かない


「はじめてのお散歩」――誰だって“はじめて”は緊張する。

 子犬なら尚更だ。父犬のハム君も双子犬のブルーとぴーちゃんも、はじめてのお散歩は道路に踏ん張って「動くもんか!!!」と石のように固まっていた。
 けれど2度目のお散歩時には、嗅いだことのないにおいに丸くて小さな鼻先は忙しなく動き、見たこともない景色の数々に黒目はつやつやと光っていた。
 尻尾は警戒心のアンテナ。空に向かってピンと張ったり内にこもったり。虫の羽音すら聞き漏らすまいと2つの耳は大きく翼を広げていた――。


元の飼い主さん宅では散歩に出ることのなかったポンちゃん。というのも以前のお家は裕福で、お家の隣りに建設されたドッグラン(!)で1日に2度ほど自由に解き放たれていたからだ。

うちのコになると決まってから、元の飼い主さんはポンちゃんにハーネスをつけてお散歩の練習をしてくださっていた。「まったく歩こうとしないばかりか怖がってビクビクしています…すみません…」恐縮しきり。


里子犬と初散歩、動く停まるを繰り返し

先住犬と新入犬 トライアル初日

そうして我が家に到着し、父犬たちに熱烈な歓迎をうけた1日目の夜。わたしはポンちゃんを外へ連れ出してみた。彼の毛色とからだに合うようにと買ったハーネスリードを装着して月夜の初デート。

左腕に彼をしっかり抱いて近所を歩く。10月の終わりが近くなった夜は、月並みだけど、すっかり秋の気配が浸透していた。地面に下ろしてほしいといった様子は微塵もうかがえず、かといって震えるわけでもなく、わたしの左肩に顎をのせて甘えてみたかと思えばほんのすこし首の伸ばして辺りを見回したり。

「興味がないわけじゃないんだな」――そうっとアスファルトに下ろしてみると…①動かない ②その場でくんくんくん ③ 5歩動く ④停まる ⑤以降繰り返される②→③→④→②→ 

1.5m先の電信柱に辿りつくまでに30分を要したけれど、散歩そのものを嫌いではなさそうに見えた。


先住犬の父犬と同伴散歩│昼と夜ではこわさが違う


先住犬と新入犬 保護犬


同居3日目の朝は、父犬ハム君に近づいたりハムケツ(笑)を嗅いだり、なにかとハム君に興味津々だったからものは試しとハム君のお散歩に同伴させてみることに。
保護犬 里親 里子犬 初めての散歩


わたしの手や腕にまで伝わってくるほどの振動。そう、ポンちゃんはぶるぶるびくびくと震えていた。夜のデートとは違いお昼過ぎの街には、外の世界をほとんど知らない子犬にとって“こわいもの”で溢れていた。

小さな小さなポンちゃんにとって、近くを走る自転車は「恐竜」にでも見えたかもしれない。幼稚園や保育園から飛び出してくる子どもたちの高い声は空から降ってくる「槍」のように感じられたかもしれない。早足で行き交う人たちは、さながら襲ってくる「ゾンビ」といったところだろうか。
スリングでお散歩 スリン歩

早く歩きだしたいハム君と動かず震えるポンちゃん。念のためとからだから提げていたスリングに彼を入れて、お散歩と「スリン歩」を開始。以降しばらくのあいだ、スリン歩でお散歩を体験する。



さてさて。本格的にお散歩を教える前に「外の世界はたのしいんだよ」ってことを教えていこう。ポンちゃんが自発的に歩きたくなるその日がいつかくるように――。


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